なんちゃってない人狼戦線 3日目

なんちゃってない人狼戦線 人狼 小説
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体がだるい。流石に廊下で夜を明かしたのが体に堪えたらしく、目覚めが最悪だった。とはいえ昨日は活動が遅かったため、早くから行動できるだなんていいことだと俺は体を動かしに自分の部屋に戻ることにした。




だが、階段を降りていくにつれて鉄臭い臭いが廊下に充満していることに気づく。2階の誰かが人狼の強襲にあったのだろうか、臭いのもとを探しに俺はスタスタと二階のメンバーの部屋の前に立っては不審なところはないかと見ていく。7時なので早朝というほど早朝ではないが流石に疲れてるのではないかと思い、扉だけで確認できないかと見ていく。
遠坂、綺礼、俺の部屋、佐川は何もなかった。が、一人ギルガメッシュの部屋にはナイフのようなものでバツ印がつけられ、扉の鍵自体が破壊されていた。嗚呼これは、もしかしなくても――、

「ギル!生きているなら返事し給え!」

大方の予想通り既に死んでいた。滅多刺しにされているを見ては吐き気を抑えて、処理をしなければなと一応準備していたゴム手袋と袋を取り出す。流石に生徒とか他の人に処理とかこれ大変そうだしね。
最も、その処理した後に一気に嘔吐やおかんなどがしたせいで綺礼に見つかってしまったのだけれど正直なんの足しにもならないので詳しいことは想像に任せるために割愛させて頂く。結局この後ときたら俺寝込んでたんけどさ。
とは言え今日も協議があるから起きないといけないのでギリギリまでまた寝たのはここだけの話だよ。





さて、今日は朝の一コマから入ったせいで前置きが長くなって申し訳ないね。それでは今日の吊りを決めるために、話し合いへとはいろうか。今回はとりあえずギルガメッシュが殺されたことをみんなが知ってからの議論という形となった。
ちなみに俺が寝込んでる間に綺礼が大体のことは説明してくれたようでだけど、周りがすごい顔で説明を聞いていたらしいのだけど彼は一体どういった説明をしてくれたのだろうか。まぁ、想像したくもないので気にしないでおこうと思う。

「ということで本日の協議を始める。意見があるもの、占いの結果や霊能の結果を伝えてくれ」

早速開始らしいのでちらりと面々を見れば、関西弁の透真がこちらを一回見て口を開いた。

「んじゃその前に僕が思うグレーに対する見方を伝えてから行くわ。……まずは柚月先生、ココは昨日の件からして元々吊るつもりやったしこれを白出されたら占いを疑うレベルの印象や。」

そして思いっきり俺に思いっきり疑いの目を持ってる、と面々に伝えてきた。ちょっと、開始早々そんなこと言われたら俺への疑いが悪化するじゃないか。

「けどその妹君に関しては正直なんて言えばいいのかわからんわ……言峰先生やけどココは白っぽいと思うんやけどな。」

そこまで言い終えたら次は占いの方を、とアルブムと遠坂教頭の方に透真がバトンを託した。さて、占いはどんな感じだろうか。

「では私から。……柚月先生は白です。参考までに占った理由は狼はこの感じだと潜伏っぽいし何より発言数が少ないから占わせていただきました。教頭先生はどうですか?」
「ほう。私も彼を占わせてもらった。結果白だった。理由、昨日の票割れと未だに発言数が少ないところからだ。」

二人がそれだけ言えば話は終わった、と言いたげな顔で溜息をついた。二人揃って同じ結果なのはいいとして、なんというか確定白をもらったけど納得がいかない。

「それっぽいこといってるけど、俺を占う理由がなんだか理解できないね。なんかそれっぽいことを付け加えてるだけに見えるよ。」
「先生への占いに対しては俺も似たようなことを感じたが……ま、何はともあれ今日はらちがあかないから占いを吊る。これ以上の混乱は避けるべきだからな。」
「私も賛成です!……とりあえず決め打ちで行きたいのでどちらにするか話しあいましょう。」

エルメスがそう告げれば今までの占い結果などをまとめた用紙を取り出した。ほう、こんなの作ってたのかい。

「こういうのはあったほうがいいですからね!」
「ふむ……ちなみに私は絳榮と綺礼は白だと見ている。」
「さすが我が師。とは言え指定を決めなくてはならないのだから判断を。」

相変わらず立てるの上手いし、さり気なく指定をどうするかという意見に戻すあたり、コイツ出来るなと綺礼を見る。まぁ確かに綺礼は白っぽいよね。

「ああ私からは教頭先生を推すわ。先生何処と無く怪しいもの。」
「ほう?なぜそう思う。」
「占った理由もだけど根本的な発言の説得力にかけるわ。真面目にというか一歩退いて意見を述べている感じがするのよ。」

キッと蜜柑が教頭を睨むが、余裕そうな顔で蜜柑を見る。ここまで来ると面倒くさいことになりそうなので、確定白認定を受けた俺は他の人から意見を求めることにした。

「綺礼は誰に投票するんだい?」
「私も師に投票する。というかソレを師は望んでいる感じだったからな。」
「へぇ……罪悪感なのかねぇ。だからそういうアピールをしていると考えるわけだ。」

投票用紙越しにコツコツと机を叩きつつ、議論がまとまってきたのか気が付けば静かになっていた。

「ということで満場一致で教頭先生ですね。」
「いやちょっと待て撤回させてほしい。最初の占いは誤りだ、佐川は黒だ。」

と、教頭が一言言えばそれに反論するように佐川が口を開いた。

「……教頭先生、この期に苦し紛れに人をだしに使うのやめていただきたい。俺が言うのも何だが見苦しく見える。そもそも誤りなのであればその場で言うべきでは?なぜこの段階で言う。人狼の苦し紛れにしても道化がすぎる。」
「――はじめは状況が掴みきれずそうなっていたが、ここまで来たら流石にと判断したまでだよ。それに人狼は君だと思うが?」
「クドいな。そこまでして保身的で行く気か。人狼よ。」
「いや?……まぁ私のタイミングとミスだからこれ以上は言わない。」

ピリピリとした緊張感軽く目を伏せつつ、これで終わりにするという顔で教頭は綺礼を見た。

「……投票終わったら綺礼、楽にしてくれ。」
「わかりました、我が師。」

応じた瞬間言峰は発砲した。いやまだ投票してないんだけど。

「投票で確定するのだからそれが少し早まっても変わらないだろう。」
「いや言いたいことはわかるけど……ねぇ。」
「未だに現実を見てはいなかったのが師の敗因だ。処理は私のほうがする。」

それだけ言えば亡骸をスッと抱き上げて、そのまま遺体安置所の方へ降りていこうとしていった。嗚呼そうだ、君が降りるのなら丁度良い――

「女の子組には御飯作ってもらってちょっと確認しに行こうと思ったからついていってもいいかい?道連れに佐川と絳榮も連れて行ってね。」





なんとなく気になったので道連れをつれて遺体安置所に向かう。というのもやけに臭いもなかったし、なんかどことなく知らない人の気配を感じたからだ。大体、安置所なんて死体なのだから腐って臭いが発生して後々大変なんだ、管理者がいなくては意味が無いじゃないか。
まぁ、今回に関しては俺個人の好奇心だから言われても仕方ない。とは言え、女性陣を呼ばなかっただけ褒められるべきだろう。二人ともそう思わないかね。

「自分の正当化は流石に……なぁ?」
「せやな。」
「君ら案外手厳しいね?」

なんてことを話しつつ歩いていき、気がつけば遺体安置所にたどり着いた。そしてここで違和感を感じる、全くと言っていいほど臭いがしないのだ。勿論、この場に一緒に来た面々も気づいたようで少し顔つきが強張っている。
まぁ強張ったままなにもしないのもどうかと思ったのか、綺礼は少し雑に霊安室の扉を開けた。そしてそのまま中にあるベッドの上に遠坂時臣を寝かせ、ドライアイスで腐敗を最小限に抑えるつもりなのだろうか。
そんな綺礼から視線を遺体安置所う全体に向ければ、何やら見覚えのない謎のカプセル状の水槽がたくさんおいてあるのが目に入った。その中身はといえば、よく知った顔が眠っていて、綺麗にドレスやタキシードなんて着せられていた。しかもその一つ一つがポーズを取らせておりその横に"舞踏会"と書かれた立て札が飾ってあるのが目に入る。
さらに近づいて水槽の方を見ていけばそれぞれに名前が書かれた立て札が置いてあり、勿論自分の名前が書かれたものまで置いてあった。俺はそれを見て縁起でもないと思いつつ、それ以上に気がかりなことに気がつく。なんと朝見た死体以上に綺麗になっていることだ。

「ほう、綺麗になっているのか?」
「嗚呼……それはもう俺が戻すくらいには猟奇的な殺し方をしてくれたからね。」
「先生がやけに青い顔してたんはそれやったんか。」
「色々ガッテンいったが言えることはアレか、この部屋の主は狂ってる、と。いうことだろう?」

そう言いながら目を背ける佐川と透真をよそに、何かを考えるように綺礼は水槽を見つめている。なにか思いついたのだろうか。

「いや、特にはないが?」
「……だよね。上に戻ろう、流石に彼女たちにずっとご飯の支度はさせたくないしね。」
「お前が作る料理か、なにか入ってそうだな。」
「失礼だねぇ綺礼……ま、いいんだけど。」

否定するの面倒くさいからね。――さて、夕食を食べてさっさと日記を書いてバトンタッチしなくては。






目が覚めた。どうやら二重人格裏の人格、僕の出番らしいので適当に着替えて日記の確認をする。これが自分との唯一のコミュニケーションツールだからだ。まぁそんなことより今日は誰の護衛か、ページを捲ればどうやらアルブムの護衛ということになっている。
どうやら占いの決め打ちのためらしいのだが、全く状況わからないからとりあえず護衛に専念するか。

「面倒くさいことこの上なしだな。」

どこかで低いうめき声が聞こえてきたかもしれないが、やけに静かすぎるアルブムの部屋で目を閉じた。










犠牲者

遠坂時臣
ギルガメッシュ
佐川深森
萩風 暁

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