なんちゃってない人狼戦線 4日目
なんちゃってない人狼戦線 小説 人狼更新:
今日も廊下で一夜を明かし、異常空間にも慣れてきてしまうという異常事態が発生中。とは言え、ほかの人は慣れてないだろうから今日の死体でも回収することにしよう。明らかにこの階では何も起きてない感じだからね。
ということでスタスタと階段を駆け下りていき、自分の部屋のある階にたどりつく。ここには昨日も感じた臭いが充満しており、ココにいる誰かが強襲されたというのは明らかだった。やだな、部屋にいること少ないけどみんな化けて出てきそうじゃないか。
まぁそんなことをぼやいていても仕方ないので、昨日と同じ切り傷を探しに行けば思いのほか早く見つかった。なぜなら俺の部屋の隣である、綺礼のところに傷があったからだ。
「うわ、彼殺されてるとか冗談じゃないよ……面倒くさいなぁ」
カチャンっと音を立てて扉を開ければ案の定、綺礼らしきものは横たわっていた。その死体はといえば、あまりの酷さに目を覆いたくなるような惨状で本当に気持ちが悪い。まぁこれを生徒に見せるよりましかと処理しつつ、気づきたくなかった事実に気づく。
昨日吊られた教頭が人狼だとしても生徒の中にも人狼がいるということ、教頭が白だった場合はふたりとも自分の生徒が人狼であるという可能性に気づいたのだ。年端もいかない生徒たちに一体何をさせようと言うのだね、この悪趣味な主催者さんは。
「あー……やだな、泣きたくなってきたよ」
死体の臭いと、胸糞悪い事実のせいでね。
さて、恒例の死体処理を終わればこれまた恒例の話し合いとなった。みんな定位置について、それぞれ緊張感をにじませた表情をしている。それぞれがそれぞれを信用出来ない、そんな雰囲気で包まれていおり、誰も口を開こうとはしてくれなかった。まぁ今までは綺礼の宣言でみんな議論って感じだから致し方無いと思うのだけど。
さてそんな中透真が重い口を開き始めたことにより、議論が始まることになる。
「いつものグレー考察、佐川について言っていくで?」
「ほう、どうぞ。」
「教頭先生が昨日自分で白を出したというのに、昨日黒やいいはとったやろ?あれがどうも違和感あるんやわ。あんたさんがあそこで仲間を切り捨てる、という選択肢があるからな。」
糸を張ったような緊張感のなか、氷のような意見を透真が投げた。それに対して佐川は、といえばこれまたどこか冷たい目を向けている。まぁ自分に不利なことを言われればそんな顔したくなるのでわかる気がするけど。
「言いたいこと言ってもらえて助かったわ。というかなんで言峰先生噛んだのかしら。」
「ふむ、意見を述べていたからだと思うよ、とは言え俺もわからないけどね。」
「なるほどね……ま、霊能と占いはCOしてもらっていいかしら。」
議論を進めたいのよね、と諦めの見える蜜柑が一言述べる。今日は隣の席だというのに何もしてこないあたりからして、精神的にも肉体的にも疲れてるから諦めが来てるのかもしれない。この中に殺人犯が2人いるってかんがえたらそりゃ、怖いよね。
「では占いCO、綺礼先生は白。理由は昨日自分で占えって言ってたからなんだけど……まさか噛まれるなんて。」
「んじゃ霊能COも。教頭先生は白だよ。なんていうか……申し訳ないよね。とりあえず個人的に怪しいと思うのがアルブムちゃん、というのもここで言っておくよ!」
ついでにこれも渡すと、占いの結果と今までの吊りについてまとめてある大きな髪をアルブムが持ってきた。どうやら地味に作っていたらしいので、折角だからその紙を見てみようと思う。
占い
遠坂時臣:佐川 白、御園 白、吊り
アルブム:ギル 白、御園 白、綺礼 白
霊能
エルメス:深森 白、時臣 白
襲撃
ギル、綺礼
と、こんな感じで書かれている。全く、殆どが無駄撃ちじゃないかね。
「で、この結果を受けてどうするんだい?」
「とりあえず占い吊りが1番やとおもうわ。」
まぁそれが妥当か、狂人は最初に死んでるはずなのだから。と、そこまで思考を巡らせている時に、アルブムがエルメスの方を向いて言う。
「まって、私が死ぬとこの村に勝ち目なくなるから。縄の残りだって少ないのよ。」
彼女はそう叫んだ。言われてるエルメスはといえば、混乱しているようだった。
「アルブムちゃん……え、でも霊能の結果的に……アルブムちゃんが……?」
「……違う、私は人狼じゃない、違う……信じてよ……!」
カタカタと震える手でエルメスを揺らせば、彼女がそれをなだめ始める。ここまで錯乱し始めると話し合いどころではなさそうだ。仕方ないので俺は二人を別の部屋に移し、話し合い再開ということになった。
「……じゃあ今日はグレー吊り?私と絳榮だけと佐川よね。」
「先生は確定白やからな。で、誰を吊るん?」
吊るとしたら結構誘導に回ってる透真なんだけど、前回の口論を考慮すると佐川を吊るべきなんだろうね。蜜柑?ああ彼女はシロって感じがするから考えてなかったよ。
「なんや、その顔やと僕に投票って形やな?」
「そうね……貴方がどうも妥当に見えるの。」
「せやけど僕吊ったら勝ち目ないで?それに狼っぽいのはもうひとりいるやないの」
透真のその一言を聞いて思わず、やけに静かな佐川に視線を向ける。ここ数日、嫌なくらい口数が少ないのだ。最初は状況のせいかと思ったけれど、流石に自分も釣られるかもしれないって時にまでだんまりなのはなんかありそうな気がする。そんな風に見ていたところで佐川が口を開いた。
「ほう、俺に振るか。俺が仮に狼だとしたら占いに出て、自分の仲間に白をだしてあとは適当に黒なり白なりつけるが?」
「そうなん。ま、どうせ僕が吊られるのは読めてるしやるなら自分でやりますわ。」
透真がスッと銃を手に取れば、そのままこめかみに一発放ち倒れこんだ。銃声が聞こえたのか別の部屋にいた二人は戻ってきたが、ドサッという音を立てて倒れた彼を連れて行くことにした。
だって今の俺にはそれしか出来ないのだからね。
また今日も僕に仕事にならない仕事をさせる時間が来た。じっと座っていることに何の意味があるのだろうか、よくわからない。とはいえ僕が行かないとダメらしいので、今日の指定先であるエルメスと呼ばれる女のもとに向かう。まぁ何かの理由があるのなら、とギシギシと音のする廊下をのんびり歩いた。勿論そんな遠くもないのであっという間扉の前にたどり着き、さっさと陣取るのまでさほど時間はかからなかったのは言うまでもない。
さて、それから10分位経過すれば何やら足音が響き始める。その足音から察するに、こちらに向かってきているらしく手には何やらナイフを握っているようだ。なるほど、コイツから護衛をしてくれということだったのか。
と、独り合点してれば急に相手が僕に対して軽く切りかかってきた。最も、僕は割とこういったことに離れているのでさくっと避けることが出来たし、それを見て相手は逃げていった。
一体、あの人は何がしたかったんだろうか。
犠牲者
絳榮透真
言峰綺礼
遠坂時臣
ギルガメッシュ
佐川深森
萩風 暁
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なんちゃってない人狼戦線 Epilogue
もずくもち@のーたりん
それからしばらくして安置所に向かうこととなった。俺はスタコラと蜜柑を抱きかか...
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