Rainydays【短編】
短編最高ランク : 26 , 更新: 2015/11/10 5:53:58
私は、臆病者だ。
あの子の視界に触れるのが怖くて。あの子の隣に立つのが怖くて。
ついつい、後ろを歩いてしまうのだ。
「じゃあ、帰ろっか」
あの一瞬の表情が忘れられない。
哀しそうな、辛そうな顔が。
その顔が見たくなくて、あの子に何かを思われたくなくて。
後ろを歩く私は卑怯で最低なんだ。
「ばいばい」
無機質なその声は、私の前からするものであの子から発されていた。
ずっと言葉を考えていたが、その言葉も虚しく私の喉でつっかえた。
「じゃあね」
結局私が言えたのは、その一言だけだったんだ。
雨の中、あの子の悲しげな背中だけが遠ざかっていった。
***********
「ばいばい」
前の一点だけを見つめて言ったセリフはひどく無機質に聞こえた。
なんで、あたしはこんな皮肉のような言い方をしてしまうのだろう。
「……じゃあね」
後ろから、今にも泣きそうな震えた声がする。
結局最後まで、あたしはあいつの顔を見ることができなかった。
一人ぼっちでの帰り道。それは、とても静かなものだった。
誰も通らない路地からする音は、あたしの傘が雨を弾く音だけの環境の中、必死に考える。
分かっていた。あたしが悪いことくらい。
それでも楽しみにしていた気持ちを踏みにじられた気分だったんだ。
でも、それでも。やっぱり隣で寄り添って帰りたかった。
あんな事をしたのは私なのに。
あいつが私の隣に来づらくしてしまったのは私なのに。
自分の家の明かりが見えてきた頃、ふと足を止める。
私が行く家はここじゃない。
「あいつの家だ」
そう言うと、私は気づいたら傘を捨て家とは逆方向に全力疾走していた。
「待ってろよ__、○○!!」
空はもう、青い。________
……
はーい、短編作った斉藤さんです。
今回2つの目線からです。
ちょっと終わり方雑だけど、キニシナイキニシナーイ(
やっぱり、文を想像して形にするのは好きですし、とても楽しいです。
情景はお好きなふうに想像を。
では!!
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ポンコツ脳とはっぴーらいふ
2016/06/10 20:06:32 斉藤 2 5
はぁい、どうも。斉藤です。 今日は結構な早起きしましたー 5時43分……だったか...
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