今日三月六日【松小説】

おそ松さん 小説
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今は春。そして今日は三月六日。
毎日笑って、毎日楽しく過ごしていたら
いつの間にかもうこの日がやってきてしまった。
桜が咲いた土手を兄弟全員でゆっくり歩く。

「おそ松兄さん、母さんたちはもう先行くって話してた」
「そうか」

少し不安げな顔をしながら言ったチョロ松におれはそう返して微笑んだ。

「心配することねえって。また少し眠るだけだし。それも皆で。
だから寂しいことなんてないって」
「おそ松にーさん、じゃあなんでそんなに悲しそうな顔をしてるの?」

十四松がトド松を背負いながら俺に向かって笑った顔のまま言った。
そんなに気づかれるほど俺は悲しい顔をしていただろうか。

「兄貴。あれから今日でちょうど46年だ。何か思うことはないのか…?」

いつになく真剣な顔でそう聞いてくるカラ松。
ああ、もうそんなに経ったのか。
兄ちゃん数えてなかったからわかんなかったわ。

「初めてのフグは超うまかったよな」
「……それだけ?」

ジト目で一松が言う。それに俺はうん、それだけ。と返した。
あまり思い出したくない。
46年もたったというのに、
あの時のことを鮮明に覚えてしまっている自分が嫌に感じる。

「桜、綺麗だな」
「ああ、俺達結構遊んだよな」
「うん、それに殆どの人達がまた、僕達を思い出してくれた」
「嬉しかったよね。それなりに。」
「あとにーさん達やトド松みーんな、新しくて楽しいこと知れたよね!」
「本当…楽しかったね」

口々に今までを振り返る俺達の中、最後に少し目が覚めたのかトド松が言葉を発した。

「次はいつになるかな。それまで、覚えててもらえるかなあ…?」

誰かはわからないが、そんな言葉が聞こえた。


今まで動かしていた足を、とある場所でぴたりと止める。
ここには墓がある。
唯一つの墓石の下には八人の骨が埋まっている。
俺達は同じタイミングで、口をそろえてまた会う約束をした。


『じゃ、また目が覚めるまで』











その時までさようなら






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えへへ、リク小説書いてた手を止めて即座に作ったものです。
Mdnの表紙と、今日が三月六日、六つ子が一家全員フグ中毒死したのとで、「書かねば」と思いまして。
解説は投稿予定

notte ±


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