短編小説「紅色」

#クロノス・ダイバー #小説
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注意、あてんしょん!
※この投稿はブログではありません。バリバリ小説もどきです。
※これは小説ですらない小説もどきです。
※小説もどきな上殴り書きです。文ぐっちゃぐちゃです。
※それでも良い人はゆっくりしていってね!!!











ある日。余命宣告された。
正直、驚かなかった。別に驚くわけもない。
昔から体が弱くて、何もできなくて。
そんなんで余命宣告?はっ。笑わせてくれる。
...驚くより前に絶望が来た。
あぁ俺って死ぬんだ。このまま余命通りに。もしくはそれより前か後に。
俺は死ぬ。
そう考えた瞬間、声も出なかった。驚けるわけもなかった。
ただただ診察室にあった椅子に座って俯いた。
俯いていた...

...余命宣告を受けて、それから俺は行く当てもなくただただふらついていた。
月明かりが照らす夜。夜風が妙に涼しくて心地よかった。
歩いていた道路は、いつの間にか砂利道になっていた。
道なき道を歩いて、俺は一つの湖に出た。
木の柵やらで整備された公園の一部。道なき道を歩いていたらそんなところに出た。
俺はそこに、一人の人を見つけたのだ。
月明かりに照らされる少女。髪に光がやけに反射していた。
その少女がしようとしていたことはただ一つ。

...湖への飛び降り自殺。

「何してんだよ!?」

「...!?!?」

飛び降りようとした少女に声をかける。少女は何もできずただ固まっていた。多分声かけられるなんて思ってなかったんだろうな。
そんなことを考えながら、俺はその子の傍に駆け寄った。
...月明かりでしかよく見えなかったけど、今ははっきりとわかる。
少女は口を開けたままこちらを見つめていた。俺はその少女に駆け寄り質問する。

「何しようとしてんだよ...?」

「...貴方には何も関係ないでしょう?」

「目の前で死なれそうになってさえいなければな...」

「...私は、吸血鬼なの。だから死のうとしてた」

「...は?」

頭の整理が追い付かない。吸血鬼?自殺?訳が分からない。死にたいなら日光の下に出ろ。そんなことを考えていた。

「...私という吸血鬼は、日光を浴びて死ぬような存在じゃない。寿命が極端に伸びて、人の血を吸えば眷属を増やせる。そんな存在なの」

「...ってことは、ただの不老って存在みたいな物か?」

「...そう。不老と言っても、傷が治るのが極端に早くなったり、病気にならなかったりもするけどね」

「...最高じゃねぇか!」

「...。」

「な、なら。俺の事も眷属にできるのか?」

「...できる...けど」

「じゃあ、早く俺の血を吸ってくれよ。頼む」

「...。」

俺は、死にたくない。余命通りに死にたくなんてない。そんなの嫌だ。
だから俺は少女に血を吸うように頼んだ。だが彼女は怪訝そうな顔を見せる。
そして...数秒の間を置いてから、俺にこう告げた。

「...貴方の寿命全部私にくれたら、考えてあげる」

◇◆◇◆◇

私は、うんざりしていた。
生きることに、生に縋り付くことに。諦めず生きることに。
何十年、何百年。この若い姿のまま生きて来た。
辛かった。ただ退屈なだけだった。
苦しかった。生きるのが。
もう、幸せになる気も起きなかった。
どうせ、自分が死ぬより先に相手が死ぬ。
だから、うんざりしていたのだ。
だから、あの湖に飛び降りようとしていた。
死にたかった。ただただ死にたかった。
私は、生きたくなかった。
もうこの人生を終わりにしたかった。
だから、飛び降りようとしていたのに。

「何してんだよ!?」

「!?」

急に、誰かに邪魔された。
目の前にいたのは青年だった。
優しそうで、人柄の良くて。
きっとこれから、幸せな人生を歩むんだろうなって人。

「何しようとしてんだよ...?」

「...貴方には何も関係ないでしょう?」

「目の前で死なれそうになってさえいなければな...」

「...私は、吸血鬼なの。だから死のうとしてた」

「...は?」

彼は混乱している様子だった。当たり前だろう。みんなきっと、吸血鬼と聞いたら血を吸う蝙蝠染みたような奴の事を想像するはずだ。でも現実は違う。現実はただの私みたいな人物が吸血鬼なのだ。

「...私という吸血鬼は、日光を浴びて死ぬような存在じゃない。寿命が極端に伸びて、人の血を吸えば眷属を増やせる。そんな存在なの」

「...ってことは、ただの不老って存在みたいな物か?」

「...そう。不老と言っても、傷が治るのが極端に早くなったり、病気にならなかったりもするけどね」

「...最高じゃねぇか!」

「...。」

「な、なら。俺の事も眷属にできるのか?」

「...できる...けど」

「じゃあ、早く俺の血を吸ってくれよ。頼む」

「...。」

彼に、自分の事を説明してみた。そしたら彼は、喜んで血を吸ってくれなんて言ってきた。
私みたいに生きてきていないからそんなことが言えるのだ。
私はもう生き疲れているというのに、彼はまだ生き足りないという様子だ。
私みたいな人を、もう増やしたくない。だからこそ私は、この条件を提示したのだ。

「...貴方の寿命全部私にくれたら、考えてあげる」

こうして、彼と私の、長くも短く、儚い日々が始まった。


彼女との日々は毎日が楽しかった。

彼との日々は毎日が楽しかった。

沢山笑って、沢山話して、沢山遊んで、沢山いろんな場所を巡って。

沢山笑って、沢山泣いて、沢山怒って、沢山生きて。

次第に...

...「彼/俺」の身体は動かなくなった。

◇◆◇◆◇

心音計から正しいリズムで鳴り響く電子音。
俺と彼女しかいない病室。
もう、死が近い。
機械じゃわからないような、直感。それが俺に死を伝えてきた。

「...どう?これでもまだ、生きたいって思える?」

「...。」

彼女のそんな問いかけに、俺はゆっくりと首を振る。
沢山笑って、沢山怒って。沢山泣いて。沢山...楽しい日々を過ごせた。
余命を全う出来た。そんな感じがしたんだ。俺は。
だからもう、後悔もない。怖くもない。

「...俺はこのまま、人として死んでいくよ。もう...悔いもない。」

「...そう。」

そんな話をしている内に、俺は眠くなってきてしまった。
それからゆっくりと...襲い来る眠気に瞼が閉じかかる。
...でも、最期に伝えておかないと。この人に。

「...ごめん...少し眠くなっちまった」

「...そっか。」

「...色々、ありがとう。」

「...どういたしまして」

「...なぁ、寝ていいか?」

「...うん。私は、ここにいるから」

「...はは。そうか。...ありがとう」

「...ううん。一緒に居たいからいるだけよ」

「...そっか。」

そうして、俺はゆっくりと瞼を閉じる。

「...おやすみ」

その一言を吐いて、俺は短い眠りについた。

◇◆◇◆◇

心音計から正しいリズムで鳴り響く電子音。
私と彼しかいない病室。
そんな病室で私は、彼の死が近いことを薄々悟っていた。
...本当に、何となくだけど。

「...どう?これでもまだ、生きたいって思える?」

「...。」

そんな私の問いに、彼はゆっくりと首を振る。
それが彼の選んだ選択。これが彼の選ぶ道。
...これが私の、望んだ結末。

「...俺はこのまま、人として死んでいくよ。もう...悔いもない。」

「...そう。」

そんな彼の言葉に、前の私なら嬉しさを感じたのだろう。
自分のような人を増やさずに済んだ、って。
なのに何でだろう。今は言葉にできない喪失感がある。
これは一体何なのだろう。わからない。

「...ごめん...少し眠くなっちまった」

なんて、彼は言葉を吐いた。

「...そっか。」

「...色々、ありがとう。」

「...どういたしまして」

「...なぁ、寝ていいか?」

「...うん。私は、ここにいるから」

「...はは。そうか。...ありがとう」

「...ううん。一緒に居たいからいるだけよ」

「...そっか。」

彼は、そうして目をゆっくりと閉じていく。
私はそれをただ見守っていた。ただそれを眺めていた。
でも、何でだろう。おかしい。ずっと。
彼はもうここで死ぬ。もう彼の命は長くない。そんなことわかってる。
なのに何故、私は死んでほしくないと此処で願ってしまうのだろう。
どうして。最初は彼の死を望んでいたはずなのに。
おかしい。こんなの...おかしい。

「...おやすみ」

彼はそう言葉を吐いて、目を閉じ切った。

「...ぁ...あぁ...」

彼の命の火が消えていくのを感じる。彼が死んでいくのを感じる。
嫌だ。嫌だ。そんなの絶対に嫌だ。

「...ごめんなさい」

そう、私は呟いた。
ごめんなさい。私は、貴方となら一緒に生きていけると思ってしまったの
貴方と居たいって、思ってしまったの。

「...少し、痛いわよ」

それから、彼の顔にゆっくりと自分の顔を近づける。
そしてゆっくりと...彼の舌を嚙んだ。

初めてのキスは、血の味がした。

◇◆◇◆◇

...そして、私はアルバムを閉じる。
彼と紡いだ思い出、彼と過ごした日々。その記憶。記録。
私はそれを見て、久々に過去に浸っていた。
最近はこうして昔に存在した楽しい日々を思い出すのも少なくなった。
...何故って?そんな野暮な事、聞かなくてもきっとわかるでしょう?

「ただいま。」

玄関の扉を開けて、彼が帰ってくる。

「...ん?何見てたんだ?」

...そう、私の方を見た彼は首を傾げた。

「...別に」

アルバムを所定の位置に置いては、私は彼の方を向く。

「...貴方がまだ、人間だった頃の思い出。」

Chronos・Diver #時間の潜行者@復帰


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え?神作なんですけど??え、神すぎて泣くよ?え???(困惑)
控えめに言って天才ってこのことを言うのか……私にはこのレベルまで辿り着ける自信がないなあ。
え、来週にリア友に引き渡してコメント書いてもらうわ!神作すぎて衝動的に友達に見せてしまった。その子は人外とか東方とかいうの好きだしめっちゃ悶えてた!今日中には言葉がうまくまとまらないようなので来週だそうです( ̄▽ ̄;)


テクノ
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テクノ氏>久々に出した小説でそんな評価を頂けるとは...嬉しい限りです...
天才でも何でもない、ただの凡才なんですよねぇ...
あっはい。友達...その人はどんな感想をくださるのやら...


Chronos・Diver #時間の潜行者@復帰
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お待たせ!友達ちゃんからの感想です!
この子は人外系とか東方とか好きだからきっと気にいるだろうなって思って、授業が終わってすぐこれ見せたんだよ〜。やっぱり気に入ってくれたし、私の想像以上に悶えてました(*´꒳`*)
それでは、以下友達による感想です!声じゃなくて文章だから上手く伝わるか心配だけど、私と友達の気持ちが伝わってくれたら嬉しいな。
ーーーーーーーーーー
この度この作品を読ませていただきました、テクノの友人です。
とても素敵や物語で悶えました。ええ、もちろん悶えました。
男の子の命が尽きかけるシーンが最高に好きです。
文才すぎます✨😭🙏🏻
他の作品も読んでみたいと思いました!


テクノ
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テクノ氏>お友達さんにはこう返しといてくださいな。
ーーーーーーーーーーーーーーー
この度は私の作品に目を通していただいてありがとうございます。この作品は色んな作品を生み出していくうちに思いついた駄作の短編なのですが、それをここまで評価していただけるのは、こちらとしても嬉しいばかりです。
悶えた…!?(´・ω・`)
こんな私の作品をそのように評価して頂きありがとうございます。これからも作品を偶に出したりはするかもしれないので、その時はまたテクノ様を通してお読みになってくださいませm(_ _)m


Chronos・Diver #時間の潜行者@復帰
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定期生存報告。俺。参上。 とは言っても書く内容何も無いんですけどね。うん。 ...


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