青空の妄想 2021.02.19.
夢主 夢小説 落書き更新: 2021/02/19 16:32:45
早口熱血漢×武闘派少女ってアリ?【早川充洋】~小話:断罪~
高校を卒業してから、早十数年。
俺は大学卒業後、バスケとなんの関わりない普通の企業に就職し、そこそこ充実した日々を送っていた。
高校から付き合っていた南と結婚し、2人の娘にも恵まれた。幸せ絶頂期な俺は高校の頃の記憶が薄らいでいったのだ。このまま俺は過去を忘れて慌ただしく今を生きていくのだろうと、そう思っていた。
だが、そういうわけにはいかなかったらしい。
芳井「すんませーん。真珠の迎えにきましたー。」
用事のある南の代わりに次女の保育園の迎えに行った時。かわいい愛娘は一人のお友達を紹介してくれた。
真珠「パパ、この子はね愛奈ちゃん!!愛奈ちゃんは真珠の一番のお友達なのよ!」
愛奈ちゃんと呼ばれた子は恥ずかしがり屋なのか真珠の後ろに隠れぎみに俺を見ている。
芳井「こんにちは、真珠のパパです。いつも真珠と仲良くしてくれてありがとうな。」
色素の薄い髪を撫でてやるとさらに俯いていく。ちょっと馴れ馴れしかったか...?
するとふと愛奈ちゃんの名札が俺の視界に入った。
" か さ ま つ ま な "
かさまつーーーって............
偶然か否かあいつと同じ名字。いや、でもこの子はアイツにもあの人にも似てない。たまたま同じ名字なだけの可能性が.....
「おーい、愛奈、迎えに来たぞー。」
そこに懐かしい声がやってきた。声の主に愛奈ちゃんは「パパ。」と呟き俺の横を通り抜けていく。あ、やべぇ........
「あ、真珠ちゃんのお父さんですか?いつも愛奈がお世話になってます。」
固まったまま動けずにいる俺に愛奈ちゃんのお父さんは近寄ってきた。
俺は冷や汗が止まらなかった。
「愛奈がいつも真珠ちゃんの話を.......」
そこには懐かしき少し老けたアイツがいたのだった。
「え、章央?」
芳井「よ、よぉ.......ゆ....ゆっきー......」
間抜けな顔した俺を数年ぶりにアイツはシバいてきた。
***
笠松「まさか、真珠ちゃんがお前の娘だったとはな。驚いたぜ。」
芳井「その言葉そっくりそのまま返してやるよ。」
俺らはそのまま近所の公園に立ち寄った。
俺的にはすぐにでもこの場から逃げたかったんだけど...
芳井「てか何?ゆっきー浮気したの?愛奈ちゃんどっちにも似てねーじゃん?」
笠松「人聞き悪いこと言うな!!正真正銘俺らの子だよ!!!シバくぞお前!」
芳井「いや、もう勘弁です。数年ぶりに食らったけど、もういーわ、お腹一杯です。」
そんな俺らを蚊帳の外で娘達は砂遊びをしている。
どーしよ、すっげー仲良しなんだけど。
小堀や森山からゆっきー達は2人子供ができたと聞いてもう作らないだろうなと安堵していたのに....
笠松「てかお前さ、俺だけにちっとも連絡寄越さないじゃねーか。どういうつもりだよ。」
芳井「えー、そうだっけ?わりぃな、色々俺も忙しくてさ。」
俺は笑って見せるが正直心は冷や汗をかいている。だって意図的に避けてたから。
笠松「ま、いーけど。そういやLine交換しようぜ。お前どうせやってんだろ?」
とスマホを出す笠松に俺は思わず慌てた。
芳井「は!?なんでだよ?今更いるか?」
笠松「いるだろ?これからも長い付き合いになるんだから。」
遊んでいる娘達に視線をやりながら、なれた手つきでスマホを操作する笠松。昔はメールと電話しか使わなかったくせに。
芳井「いや、これからずっと仲良くするとは限らねえんじゃね?クラス替えとか、喧嘩するかもだし...」
笠松「おめぇ家の愛奈に文句でもあるってか(ゴゴゴゴゴゴ...」
芳井「違うから!!!!そういう意味じゃねーからその拳をしまって!!!」
笠松はどうやら親バカになってしまったらしい。まあ面倒見良かったしな。
ようやく俺の胸ぐらを放した笠松は俯いて、呟いた。
「...そんなに俺と連絡したくねーのか。」
思わず顔を歪めた俺に、笠松の視線が刺さる。
笠松「図星か?お前、変なところ正直だよな。普段は隠し事上手いくせによ。」
芳井「......」
笠松「なんだよ、シバかねぇから言ってみろよ。俺的には真珠ちゃんに愛奈と仲良くしててほしいし。」
愛娘に視線をやると愛奈ちゃん楽しそうに笑って遊んでいる。そしてふと娘の言葉を思い出した。
『愛奈ちゃんは真珠の一番のお友達なのよ!』
........覚悟決めるか。
芳井「......笠松、俺お前に謝らなきゃいけないことがある。」
笠松「おう、なんだ。」
芳井「......高2の時、お前が主将になった時にさ、手紙入ってたじゃねーか...」
笠松「........」
芳井「『主将ヤメロ』ってさ。あれ、書いてたの俺なんだ.............」
俺のずっと胸につっかえてたものを吐き出すと苦い味がした。
そんな俺の告白に笠松はこう言ってきた。
「なんだ、そのことかよ。」
呆れた顔をする笠松に俺は目が点になっていた。
芳井「え、笠松サン、なんだって、そんだけ?」
笠松「え?嘆いてほしかったのか?」
芳井「いや、そうゆうわけじゃねーけど。俺結構勇気出して告白したんだけど....」
笠松「そーか、それはお疲れさん?」
さらっと流す笠松。そんな俺は内心パニックだ。
芳井「え、俺長い付き合いのダチに『主将ヤメロ』って書いて送ったんだよな。でもそれ見て俺じゃないって顔で慰めてたよな。....すげー悪い奴じゃね?」
笠松「そんな悲壮な顔して聞いてくんなよ。まあ人によっちゃ絶交もんだな。」
芳井「だよな!!俺悪いよな!!」
笠松「そんな自分悪者ですアピールすんなよ、うぜぇ。」
笠松「つか、あんなん字でバレるっつーの。何年の仲だと思ってんだよ。」
芳井「はぁ?お前気づいて....」
笠松「バレバレだろ、あんなの。するならパソコンとか、新聞の切り抜きとかしろよな。」
芳井「じゃ、じゃあ言えばよかったじゃねーか!普段はめちゃくちゃシバいてくるくせに!」
笠松「今なら遠慮無くすっけどさ。当時はそれが俺への罰だと思ってたしなー。『あー、こいつも俺のことが許せないんだな。仕方ない、俺はそれだけのことしたんだから。』って、思ってたし。チーム分けの時はいつも離れてくしさ。」
笠松の当時の心境を聞いて言葉が詰まる。結構きてたのか......。
笠松「んで、なんだっけ?『ざまぁみろ』だっけ?そう言った自分が許せなかったんだっけ?」
芳井「ん!?」
笠松「おめーめんどくせぇ思考してるな。自分に罰与えるとか漫画の見すぎだろ。」
芳井「んんっ!?」
笠松「俺がお前を信じてるのがつらい?自分は黒くなるのに俺が白いままなのが憎い?狂いそう?厨二病乙」
芳井「待てやっ///なんでお前がそこまで知ってんだよっ////ま、まさか媛路がっ!!!!」
突然流れるように俺の黒歴史的ポエムを投下してくる笠松。おかしい。これは後輩の媛路にしか言ってないハズなのに!!!!
笠松「俺、後ろで聞いてたから。」
「お前後輩に当たるなよなー、たくっ。」と呆れて存在を忘れていた缶コーヒーを飲む笠松に俺は呆然。
芳井「もう、なんか、よくわっかんね.......」
笠松「コーヒー冷めるからそろそろ飲んだ方がいーぞ。」
マイペースにコーヒーを進めてくる笠松。俺は言うとおりに飲み始めた。コーヒーは少し冷めていた。
笠松「で、終わりか。んじゃ、Line交換すっぞ。」
芳井「いやなんでだよ!どういう流れ!?」
笠松「なんだよ、うるせーな、お前。」
迷惑そうな笠松だが、悪いのお前だから。俺微塵と悪くないから。ほんとお前俺にはボケに回るよな!俺に突っ込みさせんなよ!!!
笠松「被害者の俺がいいつってんだから、いいだろ、もう。」
芳井「よくねーよ、主に俺が(怒」
笠松「しゃーねぇな。なら久し振りにあれで決着つけよーぜ。」
そう、笠松が指差す先にはコートがあった。
芳井「お前...(呆」
笠松「揉めたら取り敢えず、バスケで決着ってな。」
***
バスケットコートには誰かの忘れ物かここの備え付けか古びたボールが1つあった。
コートが初めての真珠はキラキラとした目で「すごーい!」と見ていた。
笠松「ルールは交互に攻守をして先に2点連続して先取した方が勝ち。先攻はお前にやるよ。」
そうボールを寄越す笠松。
笠松「俺が勝ったら、お互いのLineを交換する。章央が勝ったら、交換しない。そして、負けた者は___」
チラッと娘達に視線を向けニヤリと笑う笠松。
「愛する娘に無様な姿を見せることになる......てな。」
芳井「コノヤロー....」
笠松「それでいいな?んじゃ、始めるぜ!どっからでもかかってきなっ!」
***
真珠「パパー大丈夫?」
愛奈「......」
30分後、無事コートに伸びるいい大人が2人出来上がっていた。
笠松「結局引き分けかよ、ちくしょー!」
芳井「俺らいい年なの忘れてた。三十路の体力舐めてたわー....」
結果両者引き分け。結果二人して娘に無様な姿を見せるハメに。
愛奈「パパ、大ちゃんみたい。」
笠松「はー!?愛奈!!俺は大地みたいにバカじゃねーぞ!?」
愛奈「そーゆーところ。」
真珠「パパ一回もゴール入らなかったね。苦手なの?」
芳井「ブランクなんです、許してください。」
真珠「ぶらんく?」
ちなみに俺は一度もシュートを決めれなかった。一応元SGなのに...
笠松「無敵のシューターが聞いて呆れるな(笑)」
芳井「うるせーな、あーその通りだよ。だからこの勝負俺の負けだっつーの!」
そう言って俺はスマホを出した。
笠松「いいのかよ。」
芳井「もうなんか、どーでもよくなったわ。但し、これからウザくてしつこいLineずっと送ってやるからな!震えて眠れ!!!!」
笠松「うわっ、やめときゃよかった...」
そうは言いつつ笠松は友達登録をしていった。
笠松「章央、俺さ、犯人がお前だってわかっても言及しなかったのは、それでもお前とバスケしたかったからだよ。
いくら酷いことされてもさ、お前とするバスケが楽しかったから、だからなにも言わなかっただけだ。結局引退式までずっと敵同士だったわけだけど、もっと早く言えば良かったんだな、俺も。」
愛奈ちゃんを抱えて笑う笠松は夕陽の性かどこか憂いを帯びていた。
笠松「章央、お前がそれを許せないなら、そのまま許さなくていい。俺も言わなかった俺を許さない。だからお互い様ってことにしとこーぜ、相棒。」
相棒、それは絶対に笠松の口からは出なかった言葉だ。いつも俺が言ってる側だったからなんか、気恥ずかしくなった。
芳井「ゆっきー、それ黄瀬にも言ってんじゃねーの?この人たらし魔。」
笠松「は?なんで黄瀬?」
芳井「世間ではゆっきーの相棒は黄瀬ってことになってるから。」
笠松「どこの世間だよ。」
芳井「腐ったお姉さま方の界隈で。」
笠松「なんだそれ。つか黄瀬の相棒とかごめんだわ。突っ込みで疲れそう。俺は小ボケでのんびりいたい。」
芳井「俺だって基本ボケでいたいんだけど。」
笠松「まあお前のアイデンティティー、草だからな。」
芳井「くwwwさwwwwどこがwww」
笠松「言ったそばからだろ。」
やべ、久々に大声で笑ったから腹筋つりそう。
笠松も呆れて笑う。そこは変わらねーな。
笠松「ん?うわっ、やべぇ!陽和からの履歴がやべーことに!!!!」
スマホを見ると18時すぎている。
ということはうちも....
恐る恐るlineを開くと、妻からお怒りスタンプの連打があった。
てかこれは円香に打たせているな...。
笠松「愛奈帰るぞ!ママが怒ってる;;!!」
芳井「真珠も!ママとっくに帰ってきてるって!!」
俺らは慌ててそれぞれの家に帰宅する。
真珠「愛奈ちゃんまた明日ね!バイバイ!」
愛奈「うん、また明日、真珠ちゃん。」
笠松「連絡ちゃんと寄越せよ章央!!」
芳井「暇だったらなー!じゃあなゆっきー!」
笠松「ゆっきー言うな!」
それから間も無くして笠松家との交流が始まったのだった。
***************
はい、なんか降りてきた青空です(。・ω・。)ゞ
なんかこの2人の話が降りてきたから、夜勤明けに書きました。
そして小話の量じゃない(笑)
本当はもう少し交流して飲み会でぽろっとの予定だったんですけど、書き進めていくうちにこんな形に落ち着きました(・ω・`)
本当はお互いに墓まで持っていかせようとしてたんだけど、なんかこう懺悔する芳井とマイペースな笠松さんが書きたくなって(笑)
そしてみなさん、彼ら仕事帰りに保育園のお迎えに行ってます。皆さん、彼らスーツでバスケしてるんですよ<●><●>カッ
prprhshsですね(・ω<`)☆テヘッ
ではまたどこかで。
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