生存報告と小説【TWD】

短編 生存報告 the・walking・dead
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更新:

生きてます。
小説更新は多分受験終わるまで(ほぼ)できません。
代わりにこっちの方には息抜きにちょこちょこ顔出してほんの感想とか書きたい作品の夢とか書き殴って行くつもりです。
それで生存確認してやってください。

というわけで、ウォーキング・デッドにどハマりしたので。

ダリルに恋する女子高生の話をば。

☆☆☆☆☆

「あの人、首から耳をぶら下げてたわ。きっと、あいつら__あなた達が言うところのウォーカー__のでしょうけど」

悪趣味ねと言いたげな表情のベスに私は少し安心した。
ベスは可愛い。お姉さんのマギーも随分な美人だが、彼女も負けず劣らずの美貌だ。
そんなベスがライバルになるなど想像したくもない。

「もう!変な顔しないでちゃんと聞いて。ほんとにあの人のことが好きなの?」

「えぇ。もう全部が好き」

「下手したらあなたのお父さんくらいの年齢の人じゃない」

「あら、ハーシェルよりはマシね」

「言ったわね」

あぁそうだ。それでも大好きだ。ぶっきらぼうだけど仲間のために走るあの人は最高にクールだ。
今日の捜索だって本当は私もついていきたかった。まぁいつの間にか出ていってしまっていたのだけど……。
保安官伝いに聞いた話では崖から落ちたらしい。その後アンドレアにまで撃たれるなんて……。踏んだり蹴ったりというか運が悪いというか。

「パパが怒ってたわ。勝手に馬を持ち出したから」

「あげく逃しちゃったしね」

名前は忘れてしまったが、あの馬はハーシェルのお気に入りだったらしい。
保安官は顔を青くしていた。

「それじゃあ私はダリルを見てくるわ」

「襲わないようにね」

「逆じゃないの?」

「そんなに目をギラギラさせてたらあの悪趣味な人のほうが心配になるわ」

ベスのわざと作った真剣な表情に苦笑しながら私は部屋を出た。

「リリー、寝ないのか?」

廊下をすぐ曲がったところで保安官に出会った。

「ちょっとダリルの様子を見ようと思って。貴方の方が早く寝たほうがいいわ。顔色が悪い。何かあった?」

「色々な。目覚めたら世界はゾンビだらけだったりとか」

保安官は沈痛な面持ちのまま軽口を叩いた。ほんとに早く休ませないといけないな。心労がたたっているのだろう。ここ数日間、一度にいろんなことがありすぎた。

「そう、『色々』…ね。カールの具合はどうなの?」

「あぁもう大丈夫だ。今は寝ている」

「じゃぁ会うのは明日にしましょう」

「そうしてくれ」

保安官は後ろ手を振りながら寝室へと向かっていった。

ドアはなるべく音をたてずに開けたつもりだった。しかし私が入った瞬間にダリルはパチリと目を開けた。

「………………」
「………………」
「………………」
「……ぐ、具合はどう?」

ダリルはしばし私を見つめて(見ないでー心臓うるさくなっちゃうからー)から口を開いた。

「すごぶるいい調子だ」

まったく、彼らしいジョークだ。

「捜索なら私も連れていけばよかった」

「お前に何ができるんだ」

ぐぅ。

「結局は足手まといだ」

何よ。ズタボロになって帰ってきたくせに。

「ソフィアは…」

「崖の下に人形があった。ソフィアのだ」

私は身を乗り出した。捜索を名乗り出たのはダリルと二人きりになりたいからではない。彼の身が心配なのはあるが、第一はやはりソフィアだ。早くソフィアを見つけてキャロルを安心させてあげたい。キャロルは、母なのだから。

「その場所を教えて」

「リックたちが明日には行くはずだ。俺もな。お前は必要ない」

「のけものにしないで!保安官には私から言うわ。それにあなた自分の姿もう一度ちゃんと鏡で見てみたらどうなの!?一朝一夕で治るような傷には見えないわ!」

だから代わりに私が行く。

「生意気を言うな」

「頭ごなしに否定しないで。カールだって捜索に行ったのよ?あの子よりは動ける」

「あぁ、そのせいで撃たれたがな」

「それはあなたも同じじゃな………」

思い切り睨まれた。
鋭い視線に怯えながらもなんて綺麗な瞳だろうと思っている私はもはや重症だ。
ただ傷つきはする。彼にとって私は本当になんでもないのだ。せめて嫌われたくはないとは思うが、口を開けばつい憎まれ口ばかりが出てくる。たのむから自重してくれ私のお口。

「とにかく、お前は行くな」

「と、とにかく、なんと言われようとも私も明日創作に参加するから」

そういって私は部屋を後にした。

部屋からは忌々しげな「shit!!」という声が聞こえてきてそれが私をますます気落ちさせた。

好感度、また下がった……。

☆☆☆☆☆☆

リリー(百合子)・アンダーソン
アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた。母はパンデミニック避難中に死亡。弟がいたが父と共に行方不明になっている。
初期のキャンプメンバー。
常備している武器はメリケンサックとナイフ。また、腐敗の進んだウォーカー相手なら肉蹴りえぐることができる靴を履いている。ちなみにこれは避難の合間に作った。
農場では年の近いベスと仲よくなる。
リックのことは保安官と呼ぶ。
ダリルが好き。

春川


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