天使が堕ちるまで２６

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姉さん······？

姉さん、なんで。

なんで死んでんだよ！

思わず肩をゆするが、反応はない。
姉さんの綺麗な白い髪は、血で赤くなっている。

「ね、言ったでしょ？」

うるさい。

「君のお姉さんは、君に生きてほしかったんだよ」

うるさい、うるさい······っ！

「馬鹿な堕天使くん」

「君のお姉さんは、君のために」

「死んじゃった」

お前、姉さんの死をなんだと思って······！

「どうとも思ってないよ、俺は神様の言った通りに殺っただけ」

「むしろ、感謝してほしいなぁ。ここまで死神が深入りするの、なかなかないから」

お前の事情なんか、知らねぇよ。

神様はなぜ、あんなに返事を濁したのか。

姉さんが先に、相談していたからだ。

俺がのんびり歩いている間に、飛んでいって相談したんだ。

姉さんはなにも悪くないのに、俺の代わりに死んだ。

姉さん、いかないでよ。