近代文学をまとめる個人的メモ そのに

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二葉亭四迷の続きと尾崎紅葉。



前回は二葉亭四迷の『浮雲』まで触れたと思う。


この『浮雲』も、『小説総論』も、実は最初のころ、坪内逍遥の本名である、坪内雄蔵の名前で出版されていた。


で、問題になってしまったのが、印税の行先。


逍遥の名で売れた本のお金を、自分が受け取っていいのかすごい悩んだ彼は、自分なんかくたばってしまえ、って思ったらしい。



くたばってしまえ、が二葉亭四迷の由来だとか。



姓名共に本名とは違う作家って意外と少なくて、太宰治とか、三島由紀夫、江戸川乱歩とか、そのあたりの方々。


以外にも芥川龍之介は本名。ペンネームが別にあったみたいだけどね。



オーソドックスなのは、名字だけ本名で、名前を変えてるパターン。漱石も、鴎外も、紅葉も、前回上げた逍遥もそう。


字だけ見れば本名だけど、詠み方が違うという人もいる。菊池寛とか、横光利一とか。


ペンネームって調べると結構面白い。




閑話休題。



逍遥と四迷が写実主義を実現しようともがいている裏で超人気作家になっていたのが尾崎紅葉。


尾崎紅葉、どっかで女体化されていましたが立派な男性です。本名は確か尾崎徳太郎だった気がする。


『金色夜叉』が何よりも有名ですね。当時新聞で連載されていたんですけど超人気だったらしいです。



紅葉は山田美妙らと「硯友社」という文学結社を設立します。この硯友社で発行された『我楽多文庫』という機関紙が日本最初の同人雑誌です。


同人雑誌と言ってもオタクが想像する薄い本のことではなく、硯友社に所属する同門の人が、それぞれ小説を持ち寄って、それをまとめて発行したのが文学でいう同人雑誌です。


一人が本を書いて売るんじゃなくて、アンソロジーみたいに持ち寄ってるのです。


身近に文学部とか、文学サークルとかがあれば、そこで発行されている部誌が同人雑誌ということになると思います。


紅葉は逍遥たちが新しい文学を模索している一方で、古き良き文学をまたここに復活させようと意気込んでる人でした。


同じ目標を持った人に、幸田露伴という作家がいます。『五重塔』が有名な方です。


この人も当時紅葉に並び立って売れていて、それぞれの名前から一文字取って「紅露時代」なんて呼ばれていました。


古き良き文学、特に江戸時代に超活躍した井原西鶴を目指して、古典的な文学を書いていた紅葉たちは、「擬古典主義」と呼ばれています。


言い方はあんまよくないように見えるけど、古典もどき。


若くして亡くなった尾崎紅葉。37歳、『金色夜叉』は未完のままでした。


『金色夜叉』は長く連載されていて、先ほども描いたように超人気だったのですが、休載なんかしちゃうと、「うちの死にかけたばあちゃんが死ぬ前に金色夜叉を最後まで見たいといっている、先生どうにか書いてもらえませんか」っていう読者からの要望が来たとかなんとか。



尾崎紅葉は若くして亡くなったものの、紅葉門下四天王なんて言われる泉鏡花、徳田秋声、小栗風葉、柳川春葉をはじめとして多くの弟子がいました。


床の間に紅葉の遺影と全集を置き、死ぬまで拝み続けていたガチ勢鏡花。


紅葉の話題で鏡花にぶん殴られたことがある秋声。


未完で終わった『金色夜叉』を、紅葉の跡を継いで完結させた風葉。


師が亡くなったショックで半年執筆依頼を断り続けた春葉。


特に前二人は有名なのでいつか触れる日が来るかもしれません。この二人はエピソードも面白いからぜひ書き留めておきたい。



時間がないので今日はここまで。次は森鴎外。

lemon1925kazi


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