近代文学をまとめる個人的メモそのろく

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耽美主義は保留で白樺派。

何で耽美主義は保留なのかというと、まったくもって触れたことがないからです。

これまでのジャンルは、誰か一人くらい作品の一部分ないし全文を読んだことがあったのですが、耽美主義とプロレタリア文学に関してはまだ一度も手を出したことがありません。

細かく挙げると奇蹟派とか悲惨小説、幻想小説とかも手を出してないんですけどそれはそれ。

なんか、怖いじゃないですか。耽美。なかなか手を出す勇気がなくて、まだ谷崎とか買えてないんです。

刺青とか気になるんですけどね。

てことで代表作家と有名作品だけ知っていてその他何の知識もない耽美主義は飛ばして白樺派にいきましょう。

こっちも今までと比べちゃうと話すこと少ないんだけど。

白樺派は、1910年に創刊された「白樺」という文芸雑誌によった人たちのことです。

中学の歴史の授業で「大正デモクラシー」って単語やりましたよね。

日本は民本主義が発展し、自由主義的になっていきました。

大正デモクラシーが起こり始めたのが1910年代で、白樺派の人たちはその影響を受けていました。

理想主義、人道主義、個人主義的な作風で、大正の文学を支える大きな存在となりました。

自然主義は「蒲団」からはじまった露悪的な作風だったと書いたと思います。

結構自然主義の作品って、懺悔したり自己否定したりして悩んでばかりの暗い雰囲気のことが多いんです。

それに対して白樺系の作品は、成長意識の感じられるものであったり、自己肯定だったり、明るいものが多いです。

なんでここまで違うかというと、白樺派の人間って、学習院出身のお金持ちで、未来ある若者だったからではないかと思います。

まだ、未来に希望を持っていたっていうか。

白樺の始まりは武者小路実篤と志賀直哉が発刊を話し合ったところから始まり、顔見知りを集めて作品を持ち寄ったところからだそうです。

とうとう著作権の切れていない名前が出てきましたね。タイトルは出していいんでしたっけ。

この二人と、有島武郎あたりが教科書に載っているんじゃないかな。

武者小路実篤はもう名前からお金持ちそうだなって思いますよね。

白樺派の思想的な中心人物で、階級闘争のない理想郷を目指して「新しき村」という共同体を建設したことでも知られています。

現在も埼玉県に残っているんじゃないかな……？

「お目出たき人」「友情」などが代表作として挙げられます。

志賀直哉と大変仲が良く、二人のエピソードはいっぱい出てきます。

志賀の作った杖の話すごく好きなのでもしよろしければ。

志賀直哉。

この人有名すぎるっていうか、エピソードが実在した人間とは思えないっていうか。次の回単独で書こうと思っています。

「小説の神様」って言われた凄い人です。

有島武郎。

「カインの末裔」「或る女」あたりが有名だと思います。

とくに「或る女」は、最初「或る女のグリンプス」という題で連載されてたものなんですけど、登場人物にモデルがいるんです。

恋多き女葉子のモデルは、国木田独歩の元妻、佐々木信子です。

もちろん国木田独歩がモデルになった人物も出ています。

後半は創作なようで、葉子は死んでしまうらしいです。佐々木信子は有島が亡くなった後も長く生きていたそうですが。

独歩と信子は駆け落ち同然で結ばれたましたが、佐々木信子は結構なお嬢様で、貧しい暮らしに耐えかねて五か月で家を出ていきます。

翌年に協議離婚。あまりにもスピーディー。

独歩は早くに亡くなってしまいますが、信子さんは別の男性と結ばれています。

葉子が死んでしまった結末に対して、佐々木信子は有島に抗議を申し立てにいこうとしたといわれています。

しかし、すでに有島は愛してしまった人妻と共に首を吊って亡くなってしまった後だったそうです。

「愛の前に死がかくまでに無力なものだとは此瞬間まで思はなかった」と遺書に残されていたらしい。

自ら命を絶った人が多いと思われがちな近代の作家ですが、理由は様々ですね。

相手の夫にばれて、それでもお互い諦められなかったのでしょう。

とりあえずここまで。

つぎは志賀直哉。太宰治の話を出すのはまだ早いかしら。にょぜ。