神話たのし〜

陰陽師 日本神話
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最高ランク : 13 , 更新: 2022/06/11 11:31:17


いっぱい……調べてる……( ◜ω◝ )

追記する可能性あるので投稿日時記録
2022/06/11 20:05:07
ミス合ったので6/12修正


※色々な所からお知恵を拝借しています。

※夢小説ネタも含みます。

※とあるツイートの言葉をお借りしますと
『二次創作は公式が正解を提示する前に出せるかが勝負』
海の向こうでSPオロチが実装され高天原編が開幕しました。
なんなら此方でも明日から前触れイベント始まるのかな?
そう遂に公式による答え開示の時が来た。
私は基本的に日本語版が出るまでは物語(ネタバレ)に触れないようにしてる人です。見てもチラ見程度です。
だから今は……ほぼ何も知らんし……以下の戯言をお許しを。



目次
・古事記と日本書紀の違い
・遥楠=クシナダヒメにしてみる
・蛇の古語と蛇の神話
・天叢雲剣について(三種の神器について)



【古事記と日本書紀の違い】

古事記と日本書紀は、
奈良時代の朝廷が日本の成り立ちを整理しようとまとめた書物。どちらも天武天皇の勅で編纂(へんさん)された。古事記が日本最古の歴史書で、日本書紀が日本最古の正史。

用途とか編纂した人物とか巻数とか文体とか制作年数とか完成時期とか、相違点が色々とあるようですが、全て書き出そうとすると長くなりそうだし私が怠くなってきそうなのでその辺は省略します。

古事記と日本書紀はどちらも日本神話のことが書かれていますが、国家の正式な歴史を記録することを重視し様々な説も併記している日本書紀と比べると、一定の視点で進んでいく物語調の古事記の方が読み物として面白いのかもしれないですね。日本神話と言われたら古事記のことを指すのが一般的らしいですし。

両方ともちゃんと一からしっかり読み比べてみたいけど、どっかで挫折する自信があるよ……。

古事記と日本書紀の神話部分の話になりますが、一方にしか載ってない物語があったり名前(所謂表記揺れ)や出来事や神様の性格やらが何か違っていたり等、記述の内容に差異があるそうです。

個人的に興味が湧いた違いが
古事記では
「食物の神(オオゲツヒメ)を殺したのはスサノオ」
日本書紀では
「食物の神(ウケモチノカミ)を殺したのはツクヨミ」
です。

スサノオとツクヨミは同一神なのではないかという見解があるようですが、その幾つかの理由の一つがこのエピソード被りです。
食物の神を殺した理由が同じで、殺したことによって地上に穀物が齎されるのも同じ。


-日本書紀のツクヨミ登場回あらすじ-
アマテラスはツクヨミに地上にいる神のウケモチの所を訪ねるよう命じた。
ウケモチは口から吐き出した食事でツクヨミをもてなそうとするが(※古事記に登場するオオゲツヒメは鼻口尻から出してた)ツクヨミは「汚らわしい」と怒り剣で殺してしまう。
この凶行を知りアマテラスは「ツクヨミは悪い神だ。二度と会いたくない」と激怒し、太陽と月は仲違い。
これは昼と夜が別々になった日月分離神話であり、ツクヨミに殺されたウケモチの死体から牛馬、粟、蚕、稗、稲、麦・大豆・小豆が生まれたので食物起源神話でもある。


ツクヨミって古事記だとイザナギの禊で誕生して以降登場しないし、日本書紀でも出番無しな上に唯一のエピソードでは神殺しだしで、なかなか不名誉というか損な役回りだけども……。
謎が多くて神秘的、「月を読む」という名の美しさから、人気のある神様みたいです。
記述が少ない分設定がいじりやすいらしく、創作のモチーフとしても人気。

他にも、古事記では重要な話として扱われているオオクニヌシの出雲神話が日本書紀では大幅に省かれていたり、ヤマトタケルは古事記では父親から恐れられ疎まれているけど日本書紀では父親から愛されている、等が違いの例として挙げられていました。



【遥楠=クシナダヒメにしてみる】

クシナダヒメはヤマタノオロチ退治後にスサノオの妻になる女神。

実際の神話だと
オロチ→クシナダヒメ→←スサノオ
となるところを
オロチ→←クシナダヒメ←スサノオ
にしてみたいというか、そういう矢印の向きをした創作ってあまり無さそうだから面白くなるかも。

でも陰陽師(ゲーム)のスサノオって見た目だけの印象だけど堅気っぽい感じがするし、恋人横取り男にするのはやっちゃダメな気がしてくる……神様は自分勝手だし結構気まぐれっていうのは好物ですが。
単純にオロチを倒す為に遥楠を利用するとかならそれっぽいかもしれないです。

それはさておき「遥楠はクシナダヒメポジションだった」って割りかし「おっ」となりそうなネタではあると思う。

↓遥楠がクシナダヒメのような立ち位置になれる根拠はこうです。↓
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まずご考慮いただきたいのはクシナダヒメの名前の由来。

古事記での表記は
【櫛名田比売(クシナダヒメ)】
スサノオはクシナダヒメを櫛に変え自分の髪に挿してからヤマタノオロチを討伐しに向かいました。ので、
「櫛になった女神→クシなったヒメ→クシナダヒメ」
何で櫛にしたの? って理由を簡潔に言うと
「スサノオが女性の持つ強い生命力を身に着けてヤマタノオロチに対抗する力を得る為」
「クシナダヒメを我が物とするというスサノオの意思表示であり婚姻の暗示」
なのだそうです。
エモい。

日本書紀での表記は
【奇稲田姫(クシイナダヒメ)】
クシは「素晴らしい、霊妙」
イナダは「稲田」
ヤマタノオロチは「斐伊川(島根県にある川・古事記では肥河・日本書紀では簸川と表記されている)の氾濫」を表し、
クシナダヒメは「川の氾濫によって破壊される田んぼ」を表し、
スサノオは「治水技術で氾濫を抑え込むことに成功した」を表しているという説がある。
--

↓ではここから連想を始めていきます↓
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「クシ」の部分
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遥楠(はるな)の「楠(な)」は「楠(くすのき)」
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楠の名前の由来は「奇(くす)し木」※諸説あり
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奇し(くしorくすし)の意味は「神秘的だ」「不思議だ」「霊妙な力がある」
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クシナダヒメの名前の意味は「奇し稲田」又は「櫛になった女神」
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櫛の語源は「不思議なこと=奇し」「霊妙なこと=霊(くし)び」
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「ナダ(イナダ)」の部分
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遥楠(はるな)の遥(はる)は音的に「春(はる)」とも読める。
-
春といえば「桜」
-
遥楠は「桜の花に例えられることが多い」
-
桜の語源や由来には様々な説があるが、一説によると

「さ」は
「稲の精霊」
「稲(サ)の神」
「穀霊」
「田んぼの神様」
「農耕の神様」

「くら」は
「稲の精霊が降臨する場所を指す古語」
「神様の居場所を意味する御座(みくら)」
「座(クラ)」
「神様の宿る場所」
「神座」

「さ」と「くら」が合わさって「さくら(桜)」となった。
-
上記の語源・由来を前提にしてか桜は
「豊作をもたらす田んぼの神様が宿る木」
「稲の神様の宿る木」
「穀物の神様が宿る花木」
「田の神が来臨する花」
等と言われている。
-
農民は桜の咲き具合を見てその年の稲の豊作を占ったり祈願したりしていた。
-
春は「稲作の準備期間」「田植え」の季節である。
-
稲田
-

ということで

これらを全部引っ括めると
「遥楠という名前には実はクシナダヒメに通じているということが隠されている」
と分か……る?(正気に戻る)

元々そういう意図で夢主を「遥楠」と名付けた訳じゃないけど、奇跡的に結び付けられました。こじつけ大好きオタクです。

また、

「クシナダヒメは霊蛇姫(クシナダヒメ)」という考察がある。※天叢雲剣-Wikipedia 参照

遥楠は蛇神と巫女大蛇に愛されている。

蛇と関係を持った。
蛇の霊力を得ることになりかねない?
という訳で。

遥楠は霊蛇姫(クシナダヒメ)

というのも考えました。

こんなに思考したけど、名前変換夢小説だから「遥楠という名前は実はクシナダヒメに通じていた」ネタ使えなかったです。
マジの盲点。
いや、使えたとしてもわざとらしい解説が必須なような……。

ていうか多分、陰陽師(ゲーム)におけるクシナダヒメとその姉達って「生贄の巫女」かもしれないですね。
クシナダヒメは「水神(ヤマタノオロチ)に仕える巫女なんじゃないか」という説もあるみたいですから。

まあクシナダヒメ御本人が陰陽師(ゲーム)に登場しないなら「遥楠=クシナダヒメ的な立ち位置」は出来なくはないかな?
スサノオによって櫛の姿に変えられてしまう展開があればそれはもうそれ。



【蛇の古語と蛇の神話】

蛇は古語で「ハハ」「カカ」というそうです。ハバ、カガ、ともいいます。


『ハハ(ハバ)』

・天羽々斬(アメノハハキリ・アメノハバキリ)
スサノオがヤマタノオロチを倒す際に使った剣。
「羽々(ハハ・ハバ)」は「大蛇」の意。
つまり「羽々斬=大蛇斬り」ということになる。

・天羽々矢(アメノハバヤ)
国譲り神話にて、二番目の使者として高天原から葦原中国に派遣された天若日子(アメノワカヒコ)が持たされた弓矢の矢の方。いざこざありこの矢は返し矢となってワカヒコは死にます。
この「羽々」も「蛇」の意で「ハハヤ・ハバヤ」とは蛇のデザインをした矢のこと、と解説している動画を観たことがあるけど、本当かな……?


『カカ(カガ)』

・蛇(カガチ)
酸漿(鬼灯)の古語もカガチ。
ヤマタノオロチの目は「赤酸漿(アカカガチ)」に例えられている。

・鏡(カガミ)は蛇目(カガメ)

・鏡餅(カガミ餅)は塒(とぐろ)を巻く蛇の姿。

・案山子(カカシ)は蛇神(カガチ)
案山子も蛇も「水田を守る神」とされているから。

※カカ繋がりに関しては諸説あります。関係なくね? って意見が通説らしいです……。


ではハハとカカは一旦置いときまして。

蛇は色んな国の神話で「地母神」として扱われることが多い……と聞いて、蛇神で地母神なのって具体的にどの神様だろう? と思い調べてみました。

これかな〜と思ったのは、アステカ神話のコアトリクエ(名前の意味は「蛇の淑女」)と、中国神話の女媧(じょか)です。

女媧のことが気になったのでもう少し説明読んでみます。

蛇身人首の女神。
泥を丁寧に捏ねて人間を創っていたけど途中でこのやり方で創っていくの大変ねと思い、縄で泥を跳ね上げた飛沫で雑に人間を作った。人間に優劣があるのはこの為。
人間を守る為に大荒れの天地を修復した後は大地で眠りについた。
同じく蛇身人首で男神の伏羲(ふくぎ)とは兄妹または夫婦である。

人間を創造したのが女媧で、人間に生活する為の制度や文化を与えたのが伏羲。

夫婦・兄妹の創世神話、なんだかイザナギとイザナミを彷彿とさせる御二方。
日本の父母は別に蛇神じゃないけど……。

でもイザナギの「ナギ」とイザナミの「ナミ」は蛇に通じている説あるらしいです。「ナギ」「ナミ」も蛇の古語で、凪(ナギ)と波(ナミ)、海水のウネウネした様子に蛇を見出した海蛇信仰があるそうな。
そしてナギ・ナミはインド神話の蛇神「ナーガ」とも繋がるのではないかとのこと。蛇の異名の一つに「長物(ながもの)」があるそうで、これもナーガと似てるねって。

いやイザナギイザナミは蛇やないやん……名前の由来も「誘(いざな)う男」と「誘(いざな)う女」が有力やで……とも思いますが、私この語呂合わせで関係性持たせていく感じ、なんか好きです。
言葉遊びって楽しい。

日本における地母神はイザナミだそうですね。イザナギと一緒に国産みしましたし神産みも沢山しています。
地母神とは「多産と豊穣をもたらす女神。母なる大地の神」ですが、日本の蛇神も多産や豊穣のご利益・ご神徳があるとされています。
中国でも蛇は生殖と繁殖を象徴しているらしいです。四神の玄武についての解説より。

そろそろハハとカカに戻ります。

『蛇(ハハ)は母(はは)と読めるし、蛇(カカ)も母(かか)と読める』

そう言われてみたら、何だか繋がってきてると思いませんか?

……ここまでの文章を読み返してみましたが、ちょっと何言ってるか分かんないって思ったので、どうにか噛み砕く為に一言にしてみます。

『蛇神は母性愛を持つ神』

になるのではないかな〜〜と思ったのです……。

蛇=ハハ=カカ=母と見做す考え方が存在するようなのでアリだと思いたい。

「蛇は古語でハハ・カカ」を踏まえると、化粧してやるって言われた時(※1)や寝惚けてしまった時(※2)に、遥楠がオロチに「母」を感じたのは存外的を得ているってことになるのやもしれません……。
(※1:短編集「化粧」)(※2:短編集「墓守り伊吹」)

落ち着いて考えるとオロチってママ要素無いんですがね。私が見たいだけだろうよ。

ついでにユダヤ教・キリスト教の蛇も触れたいです。

昔、友達に「蛇を嫌う人間が多いのはアダムとイヴの遺伝だかららしいよ」と教えてもらい「へえ〜!」となったことがあります。

人間(アダムとイヴ)は蛇(悪魔の化身)に唆され禁断の果実を食べてしまい神の楽園から追放された。

ただこの神話、超ポジティブな言い方をすると「人間に知恵や善悪の知識を与えたのは蛇」ということになるそうです。

蛇を悪魔として嫌悪する宗教もあれば、蛇を神様として崇拝する宗教もあり。
「気持ち悪い! 嫌い!」と言う人もいれば「可愛い! 好き!」と言う人もいて。

蛇って意外と人間の宗教心に関わっているし、人間に色んな感情を抱かせるし、不思議な生き物だなあって思いました。



【天叢雲剣について(三種の神器について)】

三種の神器とは!
無論だけど電化製品の方ではなくて。
日本神話における三つの宝物であり、日本における皇位の象徴!


現在、
「八尺瓊勾玉」は「皇居(東京都)」
「八咫鏡」は「伊勢神宮(三重県)」
「天叢雲剣」は「熱田神宮(愛知県)」
にあります。
皇居には「本物」の勾玉と、鏡と剣の「形代」があります。
形代とは皇位継承の儀式で本物の代わりに使用される物で、レプリカ(複製品)ではなく、本物と同じ力を宿した分身です。

天皇はアマテラスの子孫。
勾玉(本物)鏡(形代)剣(形代)を所持することが正統な皇室の証。
しかし三種の神器の本物と形代は天皇家でさえ実見することが許されておらず、見たら死ぬとも言われている……。


それではここからは、ヤマタノオロチ起源の剣とも言える「天叢雲剣」にスポットを当てていきたいと思います。
別名「草薙剣」の方が名前の知名度高いらしいけど「天叢雲剣」が正式名称だそうです。


-所有順-

『ヤマタノオロチ』
「蓋し大蛇居る上に常に雲気有り」が天叢雲剣の名前の由来。
叢雲を呼ぶ剣であり雨を降らすことが出来る?

『スサノオ』
ヤマタノオロチを斬り殺している最中に十束剣(天羽々斬)の刃が何かに当たって欠けてしまい、何かと思って尾を斬り開いてみたら出てきたのが天叢雲剣。
余談ですが、「十束剣(十拳剣とも書く)」は日本神話に登場する剣の総称であって固有名詞ではないそうです。天叢雲剣や天羽々斬の他に、イザナギがイザナミの死の原因となった火の神カグツチを斬殺した時に用いた「天之尾羽張」や、国譲りで葦原中国を平定する際に活躍したタケミカヅチが持つ「布都御魂」等があります。

『アマテラス』
スサノオから天叢雲剣を献上される。

『ニニギ』
アマテラスの孫。
天孫降臨の際、アマテラスから三種の神器を賜わる。
エピソードの所為でダメ殿方の印象が強い……。

『伊勢神宮』
崇神天皇の時代に形代が作られる。
形代は皇居に置かれ本物は伊勢神宮に移された。

『ヤマトタケル』
スサノオに匹敵する英雄と言われている皇子。
どんな御方か調べてみるとキャラ濃すぎて面白い。
東征に出向く際、伊勢神宮を創建した叔母のヤマトヒメから天叢雲剣と小さな袋を授けられる。
駿河国(静岡県)にて敵に謀られ火に囲まれてしまい絶体絶命の時、剣で周囲の草を薙ぎ払い、袋に入っていた火打ち石で向かい火をつけ難を逃れた。
この出来事によって天叢雲剣は「草薙剣」に改名される。

『熱田神宮』
伊吹山の神の呪いでヤマトタケルが亡くなり、天叢雲剣を預かっていたヤマトタケルの妻ミヤズヒメが剣を祀ったのが熱田神宮の始まり。

『皇居』
盗難が相次いだ(しかし剣はちゃんと戻って来ている・剣自身が自力で戻って来たらしい)ので、天叢雲剣の本物は熱田神宮ではなく皇居で保管することになった。
だが天武天皇が病で倒れ、占いで「剣の祟り」と出たので再び熱田神宮に戻される。

『安徳天皇』
享年満6歳数え年8歳。
父は高倉天皇、母は平清盛の娘・徳子、祖父は平清盛、祖母は平清盛の妻・時子。
源平合戦「壇ノ浦の戦い」で、敗北を悟り死を覚悟した平家一族と、平家によって持ち出された三種の神器と共に、海に入水して崩御。
鏡と勾玉は源氏が頑張って回収したけど、剣だけは見つからなかった。
なお水没し失われた剣は本物ではなく形代。
その後、伊勢神宮より献上された剣を「草薙剣(天叢雲剣)」とし、後鳥羽天皇が即位する。

現在、
本物は『熱田神宮』
形代は『皇居』
にある。
-


天叢雲剣は陰陽師(ゲーム)の本編でも草薙剣の名で登場してますね、ストーリーの流れ全然覚えてないけど。
見返せよ! って話なんですがね!
うーん……草薙剣でヤマタノオロチ(御魂ダンジョンに出てくる方)を倒してた気がする。

八尺瓊勾玉は大嶽丸が使う剣という形で登場して。

八咫鏡はアマテラスが持ってるらしくて?(詳しくはまだ知らん)
※アマテラスはニニギに三種の神器を授ける際に「鏡は私自身だと思って祀るように」と神勅を下したので、八咫鏡は三種の神器の中で最も神聖な物とされています。


元ネタの日本神話だと、八尺瓊勾玉と八咫鏡は「岩戸隠れ」を切っ掛けに高天原の神様が制作した物ですが、天叢雲剣は「ヤマタノオロチ退治」によって得た物ですね。

で、天叢雲剣は「武力の象徴」

スサノオがヤマタノオロチを倒して天叢雲剣を取り出しアマテラスに差し出す話。
これは「大和国が出雲国を征服し武力(製鉄技術)を奪った」という話だそうです。

オオクニヌシがアマテラスの子孫に国を譲るのも、イズモタケルがヤマトタケルに殺されるのも、大和が出雲を屈伏させる・服従させるを意味していると。

国津神は出雲を表していて、天津神は大和を表しているのですね。古代ではこの二国が強い力を持っていたのでしょう。

そもそも古事記と日本書紀は大和政権(天皇)が国の正統な支配者であることを証明する為に作られたらしく……つまりそういうことなのか……?

なんかこれは「歴史は勝者のもの」という話に思えてちょっと虚しくなってくる。
じゃあ勝者が悪なのかってのも違うと思うし、世の中って要素が多過ぎて本当に複雑。


気を取り直してロマンある(?)説話も紹介したいです。


伊吹山(滋賀県と岐阜県の境にある山)の神に呪われて死ぬヤマトタケルの話。
伊吹山の神とは伊吹大明神。
「白い猪(古事記)」もしくは「白い大蛇(日本書紀)」の姿でヤマトタケルの前に現れる。
大蛇……!!

なんと伊吹大明神、その正体はヤマタノオロチだという説があります!

実際ヤマタノオロチは伊吹山に祀られているからこの説は有力なんですって。
あのずんぐりむっくり愛しい猫の墓守り「伊吹」の名前って、伊吹大明神が由来だったりして……?


もう一つ。

三種の神器と共に海に沈んだ安徳天皇の話。
細かく言うと安徳天皇を抱えた二位尼(祖母の時子)が天叢雲剣を腰に差して入水した。
勾玉と鏡は回収できたけど、剣だけはどれだけ海底を探しても見つからない。
何故見つからないのか? それは……。

安徳天皇はヤマタノオロチの生まれ変わりで、剣を取り返しに来たから。
もう見つかることはないだろう。

と「平家物語」や「太平記」に書いてあるらしいです。
めちゃ面白いなと思った。

あと「源平盛衰記」には
ヤマタノオロチは伊吹山の大蛇になってヤマトタケルを倒したが剣は取り戻せなかった。安徳天皇に転生してようやく剣を奪還することが出来た。

と書いてあるらしい。
頑張ったんですねヤマタノオロチ。

ちなみに安徳天皇の後に即位した後鳥羽天皇は、剣が失われてしまっている状態で皇位継承をしたことにコンプレックスを感じていたそうです。
(失われたのは本物ではなく形代だし、新たな形代が作られたけども……)

ただこの引け目によって剣や刀への思い入れが強くなり、作刀技術を向上させる制度を作って日本刀文化を発展させていったそうな。




〜以上〜

イズモ


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2500日目
2024/04/04 11:51:56 イズモ

もう終わるまで終われないです。φ(•ᴗ•๑) 今の庭院こんな感じ


大国主神と大物主神の話を作ってみたい
2024/03/14 10:43:19 イズモ

↑おすすめ! 日本神話の書籍です↑ 2023/07/09 : 初投稿日 2024/03/14 : 追記 ...


2000日目
2022/11/20 10:31:03 イズモ

記録…… φ(•ᴗ•๑)



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