霧雨の泪第二話

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最高ランク : 15 , 更新： 2022/08/30 10:01:59

「ところで、移動手段はどうするのよ。あと、住むところは？」

と霊夢が言う。

「安全ならここに住みたいのだが」

「そうね。あんたは人里の方がいいと思うけどね。しょうがないわ。」

ここで俺には一つの疑問が湧いた。

俺の能力ってなんだろう？

霊夢は空を飛べる。

魔理沙は魔法が使える

咲夜は時をいじれる。

一応能力があってもショボいと思っている

そんなとき、突然スキマが開いてひょっこり紫が出てきた。

「その子をちょうだい。霊夢」

「いきなり何を言うんです？紫さん。」

「あら、私の名前を知っているようね。」

紫さんはたいそう驚いた表情をしていた。

「なぜ、私の名前を知っているの？」

と訊いてきたが答えなかった。

答えるとマズい気がしたからである。

ただ、知っているのは何も東方原作以外でも実際に会っているからだ。

紫さんは小さい頃の俺しか知らないから、もう気付いてないようだった。

「自己紹介がまだだったわ。私は八雲紫。妖怪の賢者よ。」

「俺は江本晶。普通の男子高校生だ。」

「晶？まさかあの晶くん？」

「そうですよ。なんで気づかないんです？」

「だって、小さい時の印象と全然違うんだもん！晶くんかっこよくなったね！」

「はは。ありがとう。紫は全然変わらないね。」

紫さんはとても喜んでいるようでいきなり抱きついてきた。

「うわ！ビックリしたー。」

「晶。なんてもの見せてくれるのよ！」

霊夢がマジギレして大幣を頭に1発かましてきた。

ちょっと脳震盪起こすくらいの強さでめちゃくちゃ痛かった。

紫さんは不服そうに

「なんで感動の再会の邪魔をするの？」

「あんたらいつまでいちゃついてるのよ！」

霊夢が吠える

「悪いな霊夢。そんな気はなかったんだ。紫に会えたのが嬉しくて。」

「早く行くわよ。」

「どこに行くの？晶は空を飛べないでしょう？」

紫が訊いたが霊夢はスルーした。

ちょっと心が痛むが霊夢についていくことにした。

「あんた空は飛べないと思うから、掴まってなさい。」

「一応飛べるか練習していいか？」

「いいわよ。」

頭の中で空を飛ぶイメージをした。

「えっ！なんで飛べるの？」

霊夢が驚いていた。

「じゃあ、飛べるなら付いて来て」

～飛ぶこと数十分

「紅魔館に着いたわ。」

「美鈴寝てるwwww」

「入るわよ。」

中に入ると綺麗に手入れされた庭園がそこにはあった。

館の中に入ると少し薔薇の匂いがした。

少し歩いているといきなり咲夜が現れた。

時間止めて接近したようだ。

「何をしているのですか？まさかお嬢様に危害を加えるような人を入れてないですよね。」

「レミリアに会いに来たのだけど。」

そう霊夢が言うと応接室に通された。

「そうですか。わかりました。少々お待ちください。」

咲夜がそう言って部屋から出ていった。

数分後にレミリアがやってきた。

「初めまして。紅魔館の主のレミリア・スカーレットよ。」

「久しぶりだな。レミリア。俺だよ。晶だ。」

「嘘でしょ。今までどこに行ってたのよ！」

「外の世界に行ってた。」

そういうと紫と同じように抱きついてきた。

「すっかり大きくなっちゃって。」

「そうだな。」

「心配したのよ！」

そう言ってレミリアは泣き出した。

今までたまっていたのだろう。

「お嬢様。この方がお嬢様がよく言っておられた晶さんですか？」

「そうよ。」

「晶、うちに帰っておいで。」

「分かったよ。」

「そういえばフランを見ないがどこにいるんだ？」

「今は地下室にいるわ」

「会いに行こう。」

～移動中

「フラーン！いるかー？」

「誰？あなた？」

「晶だよ。」

「お兄様？」

「そうだよ。昔よく遊んだ晶だよ。」

「紅魔館の裏に雪だるまを一緒に作ったでしょ」

「お兄様！」

フランもレミリアのように抱きついてきて泣き出した。

「お兄様。会いたかったよお！」

「俺も会いたかったよ。フラン。」

「じゃあ、一緒にお茶しましょう」

レミリアが提案する。

「いいねー！パチュリーにも会いたかったからちょうどいいわ。」

～数十分後

「久しぶり。パチュリー。」

「晶？今までどこに行ってたのよ！」

「悪いな」

そう言って咲夜が淹れた紅茶を飲む。

何だか心がホッとするような味がした。

「今日から住みなさい。晶。」

「ああ。分かったよ。ただ幻想郷を見て回るから暫く帰れないぞ。」

「お兄様一緒に寝ましょ。」

「分かったよ。一緒に寝よね。フラン。」

ふと、外を見ると夕陽が鮮やかに沈んでいた。

続く